手前に写っているやや大きめの工具が何かわかりますか?
めがね屋さんでも若い方はほとんどの方はご存じないでしょうね。
とても懐かしく、大変便利な工具なのです。
先端は下の写真ようにすこし窪んでいます。
これは「カシメ」る工具でヴィンテージメガネや最近のクラシックフレームで蝶番やブリッジをカシメて留めてあるメガネに使用する工具です。
最近は蝶番埋め込みやネジ留めが主流ですがカシメを使用しているフレームでもしアクシデントやプラスチック部が痩せてカシメ部が緩んで来た時にはどうやってカシメ直すか?
ワタクシが若い頃は当たり前のようにあった工具なので注文すれば簡単に手に入るだろうと思い工具メーカーに尋ねると
なんと「ネジを裏からカシメる工具でしてますよ」との返事。
そんな馬鹿な! その工具はもちろん持っていますがそれは尖った先端でネジの先を窪ませてつぶす奴やん。
(自分で書いておきながら文章にすると訳わかりませんね、自己満足ネタとしてお許しください。とにかくこだわっていますよアピール)
そんなのを流用すると美しくないでしょ。
この工具は先端の窪みの所にカシメ棒の先端をあわせて工具を結構な力でプッシュ!
すると内蔵されているバネの力で想像以上の音と圧力がかかり、きれいにカシメ直す事が出来ると言うスーパー優れものなのです。
眼鏡工具メーカーにも無いのでホームセンターで流用出来る奴が無いか探したのですが同じ仕組みでもやはり先端が尖っている。
そこで創業131年の超老舗、県下でも有名な優良店、門司の「めがねのヨシダ」の店長に相談。
ここの店長はワタクシの小学校時代からのからの友人でありワタクシがめがね業界に入るきっかけを作った恩人です。
「あ~、昔そんなのあったね」「今売ってないの?」「ちょっと待って折り返し電話する」で待つこと数分。
「工具入れの奥にあったぞー!」「明日にでもそっちに発送するわ、お金?要らんよ」
なんと嬉しいお言葉。めがねのヨシダの皆様、本当に有難うございます。このお礼は必ずいつかいたしますので期待しないでお待ちください!
そして届きました。 もう嬉しくて嬉しくて意味も無く在庫品をバチンバチンやっていたら某メーカーさん2社が一緒に来店。
これ見て、何かわかる?と商談そっちのけでハイテンションでウンチクを語ってバチンバチンやっていたらすべって位置がずれて・・・
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なんと!!!!!!
当店のこれもヴィンテージと言っていい昔のカウンター式ショーケースのガラス天板に大きなヒビが・・・。
せっかくのご好意が結果高い出費となるオチでした(泣)